他動詞は目的語の前に前置詞を付けない
他動詞は目的語の前に前置詞を付けない、ということは多くの方が理解されていると思います。
むしろ、目的語の前に前置詞を必要とする動詞を他動詞、前置詞を必要としない動詞を自動詞、と言っているのかもしれません。
He looked at me. (彼は私を見た。)
lookは、目的語の前にatが必要なので自動詞。
He hit me. (彼は私を叩いた。)
hitは目的語の前に前置詞が必要ないので他動詞。
ところが、日本語の影響で、他動詞にも関わらず、目的語の前に前置詞を付けてしまいがちな動詞があります。これをいくつか紹介してみたいと思います。
動詞の目的語に前置詞を付けていいのか、付けてはいけないのか、あまり意識せず、日本語の言い方を頼りに決めてしまう傾向のある方は、これをきっかけに意識するといいと思います。
日本人が前置詞を付けがちな他動詞
本来、目的語に前置詞が要らないにも関わらず、日本人が日本語の影響で前置詞を付けてしまいがちな動詞として次のようなものがあります。
discuss (討議する)
日本語では、「~について討議する」というので、*discuss about somethingと言ってしまいがちですが、discussは他動詞ですので、discuss somethingと言うのが正しいですね。
We have to discuss this subject.
「我々はこの話題について議論しなければならない。」
X We have to discuss about this subject.
explain(説明する)
これも、日本語で「~について説明する」というので、*explain about somethingと言いがちです。これも aboutは不要です。
Can you explain that to me?
「そのことを私に説明していただけますか?」
X Can you explain about that to me?
research(調査する)
日本語で「~について調査する」というので、*research about somethingと言ってしまうかもしれませんが、researchは他動詞ですから、research somethingというのが正しいです。
I have to research this topic on the Internet.
「私はこのテーマについてネットで調査しなければならない。」
X I have to research about this topic on the Internet.
もちろん、researchを名詞として使う場合は、「~についての調査」という意味で research on (about) this topicと言って問題ありません。
I have to do a research on this topic.
このような間違いは日本人だけでなく、インド人の英語を聞いているとよく Today, I will explain about ~と言っています。おそらく、母国語で、日本語と同じような言い方をするのでしょう。
他動詞・自動詞両方として登録されている動詞もある
ただし、explainは他動詞だと言っても、自動詞的に使う場合もあります。例えば次のように、目的語を伴わないで使う場合もあります。
Can you explain?
「説明していただけますか?」
このように自動詞としての使い方もある動詞の場合は、辞書にも、【他動】、【自動】などと、他動詞としてだけでなく、自動詞としても登録されているはずですので見てみてください。
迷ったときは、辞書を調べてみるのがいちばんですね。