everの意味は「かつて」ではない
中学英語でHave you ever been to London?などという英文を学んだとき、「あなたはかつて(これまで)ロンドンに行ったことがありますか?」と訳したような気がします。
そして、everは「かつて」と言う意味だ、と覚えたような気がします。
ただ、大学まで行くと、ever=「かつて」でないことがわかります。
なぜなら、Do you ever smoke?など、過去や現在完了でなく、現在の時制でeverを使うことがあるからです。
この場合、「あなたはかつてたばこを吸いますか?」と訳すとおかしくなってしまいます。
日本語では、「かつて」は過去のことにしか使わないからです。
そうすると、everの意味は何なんでしょうか?
ever=”at any time”と考える
私は、ever=at any timeと書かれているのを読んだときに、やっとeverの意味が理解できました。
at any timeとは、強いて訳せば、「いずれかの時点で」とでもなるでしょうか?
いずれかの、ですから、別に過去とは限らず、現在でもいいわけです。
例えば、先ほどのHave you ever been to London?であれば、「あなたは、(過去の)いずれかの時点でロンドンに行ったことがありますか?」という意味になります。
そして、Do you ever smoke?であれば、「あなたは、(現在・過去を問わず、いずれかの時点で)たばこを吸ったりすることがあるのですか?」、「普段は吸わないと思うけど、時には吸ったりすることがあるのですか?」というような意味になります。
everの意味は、anyに似ている
このeverに似た働きをする単語としてanyがあると思います。
たとえば、(a) Do you have any questions? という文と、(b) Do you ever smoke? という文は似ている気がします。
(a)は、「(なんらかの)質問がありますか?」という意味で、(b)は、「(いずれかの時点で)たばこを吸ったりすることがありますか?」という意味ですね。
anyは、名詞の前について「なんらかの」と言う意味になり、everは、動詞の前について「いずれかの時点で」という意味になります。
それぞれの単語に対し否定の単語があるのも似ています。
anyに対してはnoがあり、everに対してはneverがあります。
例えば、上記の(a), (b)を否定する場合には、次のように言います。
(a)に対して:No, I have no questions.
(b)に対して;No, I never smoke.
anyは、anythingに対してnothingがありますね。
Do you have anything to say? — No, I have nothing to say.
つまり、下記ような関係になっているのです。
any <–> no
ever <–> never
このように構造化して理解すると単語の意味が分かりやすくなるかもしれません。