commit「犯す、委ねる、責任を持つ」など

commitという単語は結構わかりにくい単語です。

最近は、日本語でも、宣伝文句などで、「結果にコミットする」などと言いますが、この場合、意味としては「責任を負う」「(深く)関与する」という意味合いで使われているようです。

英語で動詞としてcommitを使う場合、下記のようないろいろな意味があります。

  1. (罪などを)犯す:
    commit a crime「犯罪を犯す」、commit suicide「自殺する」
  2. 委ねる、委任する:
    He committed his mother to a mental hospital.「彼は母親を精神科病院に入院させた。」
  3. (~に)責任を持つ、(~と)約束する
    He committed himself to becoming a doctor.「彼は医者になることを決意した。」
  4. (~に)すべてをささげる:
    He committed his life to helping the handicapped「人生を障がい者の支援に捧げる」

これでは覚えにくくで仕方ありませんよね?どのような経緯でこのようないろいろな意味を持つようになったのでしょうか?語源的に説明できるのでしょうか?

この単語は、語源的には、下記のように分解されます。

com(一緒に)+ mit(送る)

「一緒に送る」が原義なはずですが、それがなぜ上記のような意味を持つようなったのかを知りたくなります。

語源辞典で調べてみると、「現代英語で、このような広い意味を持つようになった経緯は、完全に明確ではない」(The evolution of the modern range of meanings in English is not entirely clear.)と書いてあります。

確かに、上記1.の「(罪などを)犯す」は、語源からは説明できそうにありません。ただ、他の意味は、なんとなく似ているような気もします。

2.の「委ねる」は、ある人や物をある所に「持っていく」、そして預けるようなイメージです。

3.の「責任を持つ」は、あることに対して自分を「持っていく」とようなイメージがあります。

4の「(~に)すべてをささげる」にしても、「(自分ごと)どこかに持っていく」イメージではありませんか。

なお、自分を目的語にしてcommit oneself to~としたり、自動詞的にcommit to とすると、「自分自身を持っていく」ということになるので、

また、受動態にして、is committed to ~とすることもあります。

つまり、commitは、元々「一緒に送る、持っていく」という意味ですから、「何かをどこかに持っていく」とか、「自分をどこかに持っていくこと」を意味しているのではないでしょうか?

なお、名詞のcommittee「委員会」は、ある問題の解決を委ねられた人々、というような意味です。

また、commissionというと、動詞として「委任する」ことも意味しますが、ある作業を委ねられた人が受け取る「手数料」なども意味します。日本語でも、「この仕事に対する私のコミッションは〇〇%」などと言います。

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