形が似ていて覚えにくいが、覚え方がある
この2つの英単語は非常に紛らわしく、覚えにくいです。
スペルは、iとuが違うだけ。ただ、発音は下記のようにかなり違います。
- ingenious [indʒíːniəs] (インジーニアス)
- ingenuous [indʒénjuəs] (インジェニュアス)
それぞれの意味は下記のとおり。
- ingenious:(人や考え、ものなどが)独創的な
an ingenious researcher「独創的な研究者」、an ingenious device「気の利いた工夫」 - ingenuous :(人が)純真な、無邪気な
You are ingenuous to believe what he says.「彼のことを信じるとはあなたも純真だ」
これらの単語の語源はあまり違いがありません。
両方とも、in「~に、~で」という接頭辞と、gen-「生む」という語根から成り立っています。
ingeniousは「生まれ持って備わったもの」という意味から「頭のよい、独創的な」という意味になりました。
一方、ingenuousは、「(奴隷でなく)自由民として生まれた」という意味から、「純真な、無邪気な」という意味になったようです。(自由民でない奴隷の心は純真でない、という考え方が背景にありそうですね)
gen(e)-は、いろんな英単語に出てくる語根で、generator「発電機」、gene「遺伝子」、generation「世代」などに含まれていますが、すべて「生むこと、生まれること」に関連しています。
これだけの情報では、この2つの単語をなかなか覚えられないと思うので、調べていたら、このような覚え方が載っていましたので、是非参考にしてください。
- ingeniousは、genius「天才」に似た音が入っているので、「独創的な」を意味する。(ただし、スペルはingeniusではないので注意)
- ingenuousは、genuine「本当の、嘘のない」に似た音が入っているので、「純真な、無邪気な」を意味する。
名詞形もちょっと不規則的
なお、さらにややこしいのがこれらの単語の名詞形で、下記のようになります。
ingenious → ingenuity [ìndʒənjúːəti](インジェニューイティ)「創意工夫、創造力」
ingenuous → ingenuousness [indʒénjuəsnis](インジェニュアスネス)「無邪気さ、率直さ」
ingenuityは、uが入っているので、ingenuousの名詞形というならわかりますが、ingeniousの名詞形となっています。これはなぜなのでしょうか?
これは、本来語源的には、ingenuityはingenuousの名詞形なのですが、英語話者の間でもingeniousとingenuousが混乱して使われるようになり、最終的に、ingenuityがingeniousの名詞形として使われるようになってしまったということです。
そして、ingenuousの名詞形は、単に、語尾に-nessを付けるだけの形となりました。
はっきり言って、英語話者が混乱するのであれば、日本人が混乱するのも無理はないですね(笑)。