南海トラフ地震のトラフは”trough”
昨日、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)という注意報が、運用以来初めて発出されたそうです。
そこでふと、「トラフ」というのは何なんだろうと思いました。スペルはどう書き、どう発音するのかと。
地震注意報が出ていて、実際に被害にあった方もいるのに、英語のスペルのことなど、どうでもいいかもしれませんが、英語のことは、気になると調べたくなるほうなので、調べてしまいました。
スペルは、最初、truffかな?などと考えていたのですが、意外に難しいスペルで、正しくはtroughでした。
意味は、英辞郎では下記のように出ていました。7の「〔大地や海底の〕溝」に当たるのでしょうね。そういえば、大地や海底の大きな溝は、1.の「飼い葉おけ」のような形をしていそうです。
- 飼い葉おけ、餌入れ◆可算◆【同】manger(メインジャ)
- おけのような形の容器
- ボウル、木鉢
- 〔気圧の〕谷
- 底値
- とい◆【同】gutter(ガター)◆雨を集めて流すもの
- 〔大地や海底の〕溝
troughの発音は?
一方、発音についてですが、-oughという文字で終わっている英単語はいくつかあります。
cough – /kɔf/(US), /kɒf/(UK) 「咳(せき)」
enough – /iˈnʌf/ 「十分な、十分に」
rough – /rʌf/ 「粗い」
tough – /tʌf/ 「強い、厳しい」
though – /ðou/ 「~だけれども」
through – /θruː/ 「~を通して」
thorough – /ˈθəːrə/「徹底的な」
bough – /bau/ 「大枝」
plough – /plau/ 「(農具の)鋤」(イギリス英語のスペル。アメリカ英語ではplow)
hiccough – /ˈhikʌp/ 「しゃっくり」
troughは日本語では「トラフ」と言っていますが、oughの部分の英語の発音としては、上記のどれと同じ発音なのでしょうか?
候補としては、cough の/ɔf/(US), /ɒf/(UK)か、enough /iˈnʌf/やrough /rʌf/、tough /tʌf/などの /ʌf/のどちらかだと思われました。
調べたところ、troughの発音は下記のようになっています。
/trɔf/ [US] , /trɒf/[UK]
そうすると、troughの母音は、enoughやroughの母音/ʌ/でなく、coughの母音/ɔf/(US), /ɒf/(UK)と同じ発音、ということになります。
他の投稿でも書いている、John C. Wells氏のStandard Lexcal Setでは、CLOTHに当たります。
CLOTHの母音は、個人的な感覚では「トラフ」というよりは、広く口を開けた「トローフ」に近いですね。